【更新情報】
・9/27レビュー【後編・決勝戦】【パナ(ES)足達インタビュー】
・9/24レビュー【中編・富士ゼロ勢の勝ち上がり、直接対決!】
・9/21レビュー【前編・パナ(ES門真)の勝ち上がり】
・9/20 準決勝、準々決勝 写真・動画アップ!
・パナソニック(ES門真)が過去最多367チームの頂点に立つ!
・結果
優勝 パナソニック・ES門真
二位 富士ゼロックス東京・本社
三位 ALSOK・東京
三位 富士ゼロックス・本
ベスト8
東レ・滋賀、NTT東日本、JR東海・本社、日通商事・本社
・レビュー【前編】
・パナソニック(ES門真)、強豪・ライバルから勝利し決勝へ
パナ(ES門真)足達は、大将戦で勝負強さを発揮しチームの勝利に貢献。
平成28年9月19日(月・祝)、第59回全日本実業団剣道大会が東京・日本武道館にて開催された。大会へは過去最多の367チームが参加し、試合は5人制団体でおこなわれ準々決勝までは試合時間3分、準決勝・決勝は4分となる。
前回大会初優勝を遂げた西日本シティ銀行(本店)は、序盤戦を勝ち上がりベスト8進出をかけた6回戦でパナソニック(ES門真)と対戦し、パナ(ES門真)先鋒・日下、次鋒・吉村が勝利し2-1で接戦を制した。パナ(ES門真)は、パナソニック(ES)勢のBチーム的存在だったが、若手選手中心の勢いのあるチームに仕上がった。パナ(ES門真)の勢いを決定づけたのが3回戦、全日本、関東実業団を何度も制している三井住友海上(本店)戦。次鋒戦を三井住海・石井が勝利し、中堅戦ではパナ(ES門真)山田が一本勝ち。勝負は大将戦となりパナ・足達と三井住海・高村の実業団を代表する強豪選手対決は、高村の胴を足達がかわし引きメンを決めて一本勝ちし、この試合を制した。大将の足達は試合後に「三井住友海上戦に勝利できたことは大きかったです」とコメントをこのしている。5回戦ではトッパンフォームズ(本社)戦では、パナ(ES門真)副将・笹森の勝利により1-0で勝利した。そして西日本シティ銀行に勝利しベスト8進出を決めた。パナ(ES門真)は準々決勝では関西でのライバル関係とも言える東レ(滋賀)と対戦となった。東レは関西実業団大会を連覇しており、パナ(ES門真)としてはなんとしもて勝利したい気持ちで勝負した。先鋒戦で東レ・樫原が2本勝ちたが、次鋒、中堅でパナ(ES門真)が連勝し逆転し、今大会で初のBチーム入りを果たしたパナ副将・笹森は強豪選手の東レ・三雲と引分けに持込み、パナ1勝リードで大将戦、パナ・足達と東レ・藤田の一戦は、試合序盤に足達が鋭く攻めコテに飛び込み先取し、その後両選手とも攻め合ったが一本は生まれず、足達の一本勝ちで試合は終了し、結果としては3-1でパナ(ES門真)が勝利したが、スコア以上の接戦であった。
東レはべスト8という結果となったが、4回戦では前々回大会優勝の東洋水産(本社)との代表戦を、東レ・橋原が東洋水産・庄司から勝利し勝ち上がるなど優勝への勢いも感じられただけに、準々決勝は悔やまれる結果でもあった。
パナ(ES門真)の準決勝の対戦相手はALSOK(東京)。近年、ALSOK勢はやや苦戦がつづきなかなか上位戦で勝ち上がる事ができていなかったが、ALSOK(東京)チームは大将・遅野井を中心に強豪選手を揃え試合に勝ち上がり、準々決勝ではNTT東日本(東京)から4-1と圧倒的な勢いで勝利し準決勝へ進出した。
パナソニック(ES門真)とALSOK(東京)の準決勝、先鋒戦でパナ・日下がALSOK・篠崎が胴を狙って手元に隙ができたところへコテを決めて一本勝ち、そして中堅戦ではパナ・山田がALSOK・藤江から引きメン、そして藤江の攻め際にコテを合わせて2本勝ちし、副将で勝利が必要なALSOK・福田だったがパナ・笹森から勝利する事ができず引分け、結果2-1でパナ(ES門真)が決勝進出を決めた。
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レビュー【中編】
・富士ゼロックス勢が上位へ、直接対決!
関東王者・富士ゼロ(本社)は系列会社である富士ゼロ東京(本社)に敗退。
関東王者・富士ゼロックス(本社)はメンバーをそのままに、遠ざかっている優勝を目指した。しかし、初戦から大将戦や逆転勝利など厳しい立ち上がりとなった。4回戦の伊田テクノス(千葉)、そして5回戦の大同特殊鋼(星崎)の2試合とも代表戦となり岩川の勝利で勝ち進んだが、厳しい試合が続いた。ベスト8をかけた6回戦ではALSOK(神奈川)では先鋒から中堅の連勝で勝負をつけ勢いにのれるかと思われたが、準々決勝のJR東海(本社)戦では次鋒・岡北、中堅・上原のベテランコンビが勝ちきれなかったが副将・北川の勝利で2-1で勝利し、2大会ぶりのベスト4進出を決めた。そして準決勝の相手は、富士ゼロックスの子会社である富士ゼロックス東京(本社)となった。
富士ゼロ東京は初戦となった2回戦、3回戦をともに3-0で勝利し上々の試合展開で勝ち進み、4回戦のカミナガ販売(本社)戦も前三人で勝負を決めた。そして上位進出も見えて来た5回戦ではパナソニック(ES本社)の大一番を迎えた。
先鋒戦は引分け、次鋒戦では富士ゼロ東京の新戦力・太田がパナ(ES)磯口の思い切った面に太田がコテを合わせて一本勝ち。パナ(ES)はここから高、岩根、勝見と強豪選手が続いたが、富士ゼロ東京は宮山、上段・新海、野村の3戦とも引分けとなり1-0で富士ゼロ東京が金星とも言える1勝をあげた。つづく6回戦のセントラル警備保障(本社)戦ではさらに苦戦となり、富士ゼロ東京大将・野村の2本勝ちで本数差1本で勝利しベスト8進出し、準々決勝では日通商事(本社)。日通商事は6回戦で前回大会二位の伊田テクノス(本社)戦で大将戦となり、日通商事・山内は全日本選手権ベスト8の実績を持つ伊田テク・橋本から、上段から鋭い片手メンを決めて勝利し2-0でベスト8に進出した。
富士ゼロ東京と日通商事の準々決勝で試合が動いた中堅戦、富士ゼロ東京・宮山が二本勝ちすると続く副将・新海、そして大将・野村が一本勝ちで3-0で勝利し富士ゼロ東京としては初のベスト4進出となり、対戦相手は系列会社の富士ゼロ(本社)チームと対戦となった。合同稽古をおこなう事もあり、練習試合では富士ゼロのほうが勝率がよかったようだが、この対戦では参考にならなかった。
準決勝、先鋒戦を引分け、富士ゼロはベテラン岡北、富士ゼロ東京は新人の太田の対戦は、太田がコテを決めて一本勝ち、しかし副将では富士ゼロ・北川が富士ゼロ東京の上段・新海に対し北川が警戒しつつ間合いに入り込み上段に構えたままの新海へ逆ドウを放ち一本勝ちし大将戦は引分けとなり代表戦へ。富士ゼロ東京は大将の野村、富士ゼロは準決勝までに3試合の代表戦を戦ってきた大将の岩川だったが体力の消耗もあったのだろう、この試合では副将・北川が指名された。
入社2年目の北川と35歳の野村の対戦は、約30秒で決着がついた。野村が面に見せながら鋭く攻めコテに変化した技が一本となり、この試合を制した。富士ゼロックス東京(本社)としては初の決勝進出、そしてパナソニック(ES門真)との対戦。
レビュー【後編】
・実業団頂上決戦、パナ(ES門真)が富士ゼロ東京を制す。
決勝、パナ(ES門真)が富士ゼロ東京を2-1で勝利し優勝を決めた。
決勝戦は、フロア中央に特設会場が設置され、そこに立つ10選手だけがスポットライトを浴びることができる。
ここまで勝ち残ったのはパナソニック(ES門真)と富士ゼロックス東京(本社)。両チームとも名門ではあるが、パナ(ES門真)はBチーム、富士ゼロックス東京は富士ゼロックスの子会社という側面があり、優勝候補に名を挙げる事ができなかった。さらに、近年の大会を振り返ってみると前回大会優勝の西日本シティ銀行の初優勝など3大会連続で九州勢が決勝に進出しており、特にパナソニック(ES)は毎大会優勝校に名を連ねたが苦戦していた。富士ゼロックス勢としては関東実業団は優勝しているが、全日本になると意外にも20年以上優勝から遠ざかっており、今大会の決勝には富士ゼロをたおして系列会社である富士ゼロ東京が決勝へ駒を進めるというシチュエーションとなった。
パナ(ES門真)は全日本選手権出場経験のある中堅・山田、そして大将には九州学院から明治大とエリートコースを歩んだ足達と、20代中盤の脂の乗った強豪選手揃い、富士ゼロ東京は次鋒・太田が新戦力、不動の大将・野村を含め4選手が30代の試合巧者。
決勝戦、先鋒戦では試合終盤に富士ゼロ東京・小室がパナ(ES門真)日下の面にドウを合わせて先取したが、試合終了数秒前に日下が鋭く攻めコテを決めて引分けに持ち込む。
次鋒戦は新人選手同士の対戦、中央大からパナ(ES門真)に進んだ吉村、そして日大から富士ゼロ東京へ入社した太田の一戦は若手らしいスピーディーな試合展開となる。試合中盤、太田が胴を狙うも体勢がくずれ、吉村がその隙を見逃さずメンを打ち込み先制し試合も一本勝ちで終え、つづく中堅戦ではパナ(ES門真)山田が試合開始早々に素早く攻め富士ゼロ東京・宮山を面に誘い、山田がコテを先取しさらにこの日冴えていた引きメンも決めて2本勝ちし、パナ(ES門真)が優位な状況で残り2戦。
副将戦で勝利が必要な富士ゼロ東京・新海は上段から積極的に攻めコテや逆胴、そして面と多彩な技を繰り出したが、パナ(ES門真)笹森から一本をなかなか奪えない。笹森も足を使いながら間合いを詰め、要所で鋭い攻めを見せた。試合時間の4分は瞬く間にすぎ引き分けとなり、この瞬間にパナ(ES門真)の優勝が決定した。大将戦で富士ゼロ東京・野村が一矢報いたが、結果2-1でパナソニック(ES門真)が大会制覇。パナソニック勢としては3度目の優勝となった。そして、大会最優秀選手には中堅・山田侑希が選出された。
パナ(ES門真)大将・足達翔太インタビュー
・チーム力で勝ち取った優勝。
パナ(ES門真)足達、大学時に成し遂げられなかった日本一を手にした。
LET’S KENDO(以下:レッツ):優勝おめでとございます。いまの心境を教えてください。
足達翔太(以下:足達):今大会ではチームの大将として、大学の頃からの悲願であった『日本一』を勝ち取ることができ、本当に嬉しかったです。
レッツ:九州学院高校時代には全国選抜や魁星旗などで優勝していましたが、明治大学時代は全日本学生団体で三位や全日本個人ではベスト8など、あと一歩のところでしたね。
実業団大会の試合をいままで見させてもらった限りでは、足達選手はA(本社)チームで試合をしている印象でしたが、今大会ではB(門真)チームであることを意外に感じました。
足達:調子を落としていた時期があったのは確かですが、チーム編成が発表されたときには「まさか・・・」と、正直落ち込んでしまいました。しかし、先鋒から副将までのメンバーが若くて動きのいい選手が揃っていたので噛み合えば上位を狙えると思い、気持ちを切り替えることができました。
レッツ:足達選手もまだ26歳なので、若いと思いますが・・・
足達:たしかに入社4年目ではありますが、このチームでは最年長だったので『チーム力』ということに重点を置いて、みんなと一緒にチームを作ろうと声をかけました。チームメイトは非常に元気でさらに個性も豊かで、本当にまとめるのが大変でしたが、みんなと一緒に楽しみながらできました笑
レッツ:今大会の足達選手は大将戦で非常に勝負強く、勝利を 重ねました。ただ準決勝、そして決勝では・・・
足達:一つ目の大きな山として、3回戦の三井住友海上(本店)との試合がありました。この対戦はチーム全員が非常に意識をしており「この試合に勝てば優勝への道が見えてくるはず」と強い気持ちでぶつかった結果、勝利することができました。今大会は本当に1つ1つがきつい試合ばかりでした。しかし、1試合ずつ戦っていこうとチームで話し合い試合に臨んだことで、私以外のチームメイト全員がそれぞれの試合で活躍したことが大きな勝因だと思います。そして、決勝の相手となった富士ゼロックス東京(本社)チームも本当に強く、さらに、弊社本社(A)チームを序盤で勝利して勝ち上がってきていることはわかっていたので、パナ ソニックとして2連敗はできないと強く思いました。私自身としては大将戦で大学の先輩でもある野村先輩に負けてしまいましたが、チームの勝利は副将で決まっていたので本当にチームメイトには感謝しています! とはいえ、準決勝も決勝も、しっかりと良い形で試合を締めたかったですが・・・ まだまだ自分に甘さがあると痛感させられました。
レッツ:来年は王者として大会に出場します。そして、今回の結果でチーム編成にも興味をもってしまいます。
足達:どのようなチーム編成であっても、気持ちを強く持ち『チーム力』を高めて試合に臨めば結果がついてくるということを学びました。次回大会では、連覇できるように今後も稽古していきたいと思います。
レッツ:ありがとうございました!今後のご活躍も期待しております!
大会ハイライト&試合動画
・決勝(○パナソニック(ES門真)(2-1)富士ゼロックス東京(本社)×)
・準決勝
1:○パナソニック(ES門真)(2-1)ALSOK(東京)×
2:×富士ゼロックス(本社)(1 代表 1)富士ゼロックス東京(本社)○
・準々決勝、接戦続く!
1:○パナソニック・ES門真(3-1)東レ・滋賀×
2:×NTT東日本・東京(1-4)ALSOK・東京○
3:×JR東海・本社(1-2)富士ゼロックス・本社○
4:○富士ゼロックス東京・本社(3-0)日通商事・本社×
※序盤戦ハイライトは準備中です。
※大会トーナメント・全試合スコアは【全日本実業団剣道連盟HP】に掲載されております。
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過去大会
※H24大会(優勝・パナソニック(ES本社)、二位・東洋水産)