全日本剣道選手権大会が11/3、日本武道館にて男女同時開催された。男子は竹ノ内佑也(東京・警視庁)が10年ぶり2度目の優勝、そして、女子は世界女王・阿部美洸(東京・警視庁)が初優勝を果たした。 大会直後におこなわれた記者会見と、竹ノ内の福大大濠高校時代の恩師である黒木元監督のインタビューを公開!
インタビュー
10年ぶり2度目の優勝 竹ノ内佑也
竹ノ内:合屋選手は独特な剣風で、自分のスタイルを突き通す選手なので、それに乱されないように自分は自分の剣道を5分間にかけてやった結果ですね。(決勝の試合展開に関して)どこかで一本を狙いいかなくてはいけない、そのためには先に仕掛ける、先に取れれば勝利に近づけると、自分の自信とプライドを試合にぶつけ、さきに一本取ったあと二本目を取りに行く最高の展開ができたのできたかなって思っています。(有効打に関して)合屋選手の前の試合を見ていて「ここかな」とイメージしていたところがあったので決勝戦でも小手を出せたらいいなとは思っていましたが、(狙ったというよりは)自然と体がついてきてくれましたね。一本目から面を狙ってはいましたが(小手で先取し)、相手が取り返すために出てきつつも足が止まったところで、自分の持ち味である「飛び込み面」が出せたかなと思います。(本日は延長戦なしで終えたことに関して)今日は「5分間で一本取る」という気持ちで試合をしていました。延長戦になったらお互いに体力の問題も出てきますので、最初から「5分一本勝負」のつもりで試合に入りました。先生方のアドバイスや、世界大会日本代表監督の東先生からも「先をとって、終始自分から仕掛けていきなさい」と言われていので、それが今日の結果につながりました。
この10年間、周りの方々から期待をしていただき「今年は!」「今年こそ!」と言っていただいていましたが、この特別な大会は何が起きるかわわからないので、今日という日に運もあったのかもしれません。男女同時開催で、警視庁同士(女子は阿部が優勝)で優勝できたことは、二人とも運がこの日に、いままで勝てないこともありましたが、この日に来たんじゃないかなって思います。
悲願の初優勝 阿部美洸
阿部:決勝戦は思い切り試合をしようと思っていた結果、(初太刀の面が)「あたった!」と自分でもびっくりしました。渡邊選手は圧力がすごいので、守ってしまったら打たれてしまうので、二本目は狙いにいったつもりはないのですが「攻め続ける」と思っていた結果が二本目につながったのだと思います。(二本目を決めた直後の心境は?)「やった~」という感じです笑 (選手権までの取り組み)世界大会で優勝してから少し気持ちが乗らない期間、気持ちが抜けてしまったじきがあり稽古なども「なかなかうまくいかないな」と思っていたのですが「自分らしくやったらいいかな」と切り替えからは吹っ切れた感じでした。ですが、この大会の直前までうじうじ考えていましたね笑 (今大会は年下選手との対戦が多かった)特に対戦相手の年齢とか、年上であるプライドとかそういうのは考えておらず、一選手として対戦しています。
福大大濠剣道部・黒木貞光 元監督(現・福岡大剣道部総監督)
黒木:「今日は竹ノ内と虎(池田虎ノ介選手)の応援で(福岡から)でてきました。久しぶりに竹ノ内を見て、涙が出ましたね。ああいう試合を、最近見てなかったですからね。もう(優勝)2回目はないかなっておもってたら。準々決勝の直接対決(竹ノ内×池田)は、お互いに力を出し切ってくれればいいなと思って見ていました。竹ノ内は警察大会で(池田選手に)負けとったから、今日は挽回する意味でも気合がはいっていたとなかろうかと笑 あそこから試合内容がかわってきて(準決勝の)松﨑くんは勢いもあって厳しいかなって思ったところもあったけど、竹ノ内はものともせずに気迫のある試合をしてましたね。」