緒方(熊本)が初代女王に!決勝は下川(鹿児島)から二本勝ち
令和6年/2024年12月15日(日)、全日本選抜女子剣道七段優勝大会が山梨県甲府市にある小瀬スポーツ公園・武道館にて開催された。この大会は山梨県剣道連盟70周年記念として盛大に開催された。
出場選手は七段を取得した国内外の32名が選抜され、トーナメント戦を会場中央に設置された1試合場で行い、優勝を目指した。
序盤戦からひと際、存在感をみせた緒方有希(熊本)は1回戦でアメリカから参加した三浦YUKIKO、矢野比路代(東京)から二本勝ちし、準々決勝では荒井貴子(埼玉)、そして準決勝では近藤恵子(大阪)から勝利し決勝進出。優勝を賭けて鹿屋体育大学時代の一つ後輩にあたる、下川美佳(鹿児島)と対戦となった。
下川は、1回戦で村山千夏(埼玉)から二本勝ち、2回戦で鹿屋体育大学時代の同期である小津野祐佳(岡山)から逆転勝利し、準々決勝では福田美佐子(長崎)、準決勝では大会前日のオファーで出場した大里史織(東京)から二本勝ちし決勝へ勝ち進んだ。
決勝戦、緒方が先をかけて面を連続して仕掛ける。緒方はそのごも圧力をかけて攻める。下川は思い切った技を出せない状況。試合序盤に緒方が諸手突きをみせ、そのまま縁を切らずにメンに飛び込み先取すると、二本目の立ち合いでさらに飛び込みメンを決めて二本勝ちし、初代女王に輝いた。
※試合後のインタビューは後日掲載予定!
結果
優勝 緒方有希(熊本)
二位 下川美佳(鹿児島)
三位 近藤恵子(大阪)
三位 大里史織(東京)
優秀選手
荒井貴子(埼玉)、今道恵子(愛知)、福田美佐子(長崎)、鈴木まゆ(北海道)
試合動画一覧
決勝
○緒方(熊本)(メメ 勝ち )下川(鹿児島)×
緒方が気迫で圧倒とも言える試合内容だった。試合序盤に諸手ツキからメンへの連続技を決めると、二本目の立ち合いでは思い切った飛び込みメンを決めて二本勝ちし、初代女王となった
準決勝
○緒方(熊本)(メド 勝ち ド)近藤(大阪)×
試合開始早々に引きメンを決めた緒方だったが、近藤は逆ドウを決めて勝負となる。最後は緒方が引きドウを決めて勝利した
○下川(鹿児島)(メメ 勝ち )大里(東京)×
試合開始から約30秒は静かな攻防となったが、下川が小手で仕掛ける。全ての技が一本になるような打突を見せる下川は、飛び込みメンを2本決めて勝利した
3回戦・準々決勝
×荒井(埼玉)( 延長 メ)緒方(熊本)○
緒方が圧力をかけながら攻め技を出すも、荒井を崩し切ることができない。荒井は我慢しながらの展開となる。延長戦では緒方が良い機会で出ばな面に飛び込んだが捉えることできなかった。延長3回目、攻め続けた緒方が飛び込みメンを決めて準決勝進出
○近藤(大阪)(メ 一本勝ち )今道(愛知)×
今道が攻め入るも近藤は対応。試合終了間際、今道の攻めを見切り、近藤がメンを決め一本勝ち
×福田(長崎)( 勝ち メコ)下川(鹿児島)○
下川が圧倒するような攻めを見せ、出ゴテ、さらに飛び込みメンをい決めて二本勝ち。福田は攻め返すことができなかった。
×鈴木(北海道)( 一本勝ち メ)大里(東京)○
試合序盤、大里が力強くメンに飛び込み先取。鈴木は足を使いスピードに乗った技を出すも大里から有効打を奪えず、大里が一本勝ち
序盤戦
2回戦
・○大里(東京)(コ 一本勝ち )関口(栃木)×
関口は面など思い切りよく攻めるが大里を崩し切ることができない。試合中盤、大里は出ばなコテを決めて先取し、そのまま一本勝ち
・○鈴木(北海道)(メツ 勝ち )須坂(長野)×
鈴木は面を中心に試合を組み立て、須坂は攻めるが打ち切れない。試合中盤に鈴木が飛び込みメンをきめて、試合終盤には諸手ツキを決めて二本勝ち
・×小津野(岡山)(メ 延長 ココ)下川(鹿児島)○
2回戦屈指の好カードは、試合序盤に小津野が下川を追い込むように攻めメンの連続技で先取するも、試合中盤には下川が小津野のうち終わりにコテを決めて勝負に持ち込む。延長戦で下川が面からコテへの変化技を決めて逆転勝利。
・×内田(静岡)( 一本勝ち メ)福田(長崎)○
試合序盤に打突力、キレのある引きメンを決めた福田。内田は攻め続けたが福田はペースを握らせず一本勝ちとなった
・×家入(山口)( 勝ち メメ)今道(愛知)○
遠間からでも狙える今道、家入は攻めてからの攻防を狙う。試合中盤に今道が家入に小手をさばいてメンを決め、さらに飛び込みメンを決めて二本勝ち
・×有島(鹿児島)( 延長 メ)近藤(大阪)○
攻めたら攻め返す、見応えのある攻防は延長戦3回までつづき、最後は有島のうち終わりに近藤がメンを決めて勝利した
・○緒方(熊本)(メド 勝ち )矢野(東京)×
気迫とともに鋭い攻めでメンを決めた緒方は、試合終盤に引きドウを決めて二本勝ち
・○荒井(埼玉)(メ 延長 )稲垣(岡山)×
荒井は足を使い積極的に攻め、稲垣はしっかりを構えて試合をコントロールする。延長戦、荒井が小手からメンの連続技を決めて勝利した。
1回戦
・○関口(栃木)(コメ 勝ち )横尾(ドイツ)×
試合開始早々に鋭いコテを決めた関口。横尾は関口を崩せず、最後は関口が豪快に出ばなメンを決めて二本勝ち
・○大里(東京)(ココ 勝ち )藤井(山口)×
二刀流の藤井、大里は厳しく攻めて二刀流を封じる。藤井は持ち味を出すことができず、大里は二刀流の左コテを2本決めて勝利した。
・○須坂(長野)(メ 延長 )五十嵐(新潟)×
遠間からでも積極的に面を狙いう須坂と、小手を中心に試合を組み立てる五十嵐。試合は2回目の延長戦で五十嵐の攻め際を須坂が出ばなメンをきめて勝利した
・○鈴木(北海道)(メ 一本勝ち )伊賀(千葉)×
試合中盤、鈴木が流れるように出ばなメンを決めた。伊賀も取り返すために攻めたが、試合巧者の鈴木を崩しきれなかった
・○下川(鹿児島)(ココ 勝ち )村山(埼玉)×
試合開始早々に面を狙い積極的な村山だったが、下川は機会を見逃さず村山のうち終わりにメンへ飛び込み先取すると、さらに大きく攻め入りコテを決めて二本勝ち
・×川上(茨城)( 勝ち ココ)小津野(岡山)○
小津野は川上に試合のペースを掴ませず、タイミングをずらしたコテ、打ち終わりを狙ったコテを決めて勝利した
・○福田(長崎)(メ 一本勝ち )千葉(岩手)×
福田、千葉とも会場に響き渡る気迫を見せる。試合序盤、福田が突破力のあるメンで先取。近い間合いからでもリスクを恐れず一歩も引かずに有効打を狙い合う展開となった。
・○内田(静岡)(メメ 勝ち )宮本(福岡)×
内田の積極的な攻めに宮本は後手になってしまう。試合序盤に内田が鋭いメンを決め先取。返したい宮本だが内田を崩しきれず。試合終盤には内田の面に宮本が小手で対応するなど攻防がみられた。試合終了間際に内田が相メンを決めて二本勝ち
・神田(福岡)(メ メメ)今道(愛知)○
今道が積極的に攻めるも小柄な神田は一歩もの引かない今道が試合終盤に伸びのある飛び込みメンを決めたが、神田もすぐにメンを取り返す。勝負の一本は今道が鋭く攻め入りメンを決めて勝利。見応えある試合となった
・×平塚(山梨)( 一本勝ち メ)家入(山口)○
山梨代表の平塚は会場からの拍手を背に、堂々とした構えから試合を作り鋭く小手に審判を反応したが一本にはならず、家入は徐々に対応し、試合中盤に
・○近藤(大阪)(コ 延長 )田中(京都)×
一本を狙い、また打ち終わり見逃さない両選手。延長戦で近藤がタイミングをずらしたコテを決めて勝利した
・×髙川(群馬)( 一本勝ち コ)有島(鹿児島)○
髙川が攻めるも有島は間合いに入れさせない。両選手とも面など思い切った技を見せ合う。試合終盤に有島が攻め崩してコテを決めて一本勝ち。
・○矢野(東京)(コ 延長 )馬越(愛媛)×
矢野は常に攻めの姿勢で、面や甲手を見せる。試合序盤はやや受けになった馬越だったが、延長戦ではキレのある技を見せ互角の展開。延長2回目が始まった早々、矢野が面からコテの変化技を決めて勝利した。
・○緒方(熊本)(コメ 勝ち )三浦(アメリカ)×
緒方の圧力のある構えを、三浦はなかなか攻められず。試合中盤に緒方がコテ、さらにメンを決めて二本勝ち
・×黒澤(神奈川)( 一本勝ち コ)稲垣(岡山)○
上段の黒澤の打ち終わりを狙う稲垣。試合終盤、稲垣が素早く攻めて上段構えを崩し右コテを決めて勝利
・○荒井(埼玉)(コ 延長 )村山(兵庫)×
試合序盤は荒井が面を仕掛ける。試合中盤からは村山からの攻めも増えだす。試合は延長戦で、荒井が鋭いコテを決めて勝利
開会式
ライブ配信
全日本選抜女子剣道七段優勝大会
山梨県剣道連盟設立70周年記念
山梨県剣道連盟設立70周年を記念し、令和6年12月15日(日)に甲府市の小瀬武道館において、全日本選抜女子剣道七段優勝大会を開催される。
全国をはじめ、国際ゾーンから選抜された剣道七段の女子剣士32名によるトーナメント方式で優勝を争う。剣道七段女子剣士のみの大会は初めての開催。
組合せは大会前日の12/14(土)17時頃から抽選会をおこなう。
山梨県剣道連盟は大会開催にあたり「少子化や趣味の多様化に伴う剣道人口の減少もあり、現在、剣道界では幼少年の剣道人口拡大とともに女子剣道のさらなる普及発展のためにも力を尽くしております。」と話した。
大会概要
令和6年/2024年12月15日(日)
山梨県甲府市・小瀬スポーツ公園武道館
・開会 9時15分〜
・七段を取得している女子選手32名、個人戦トーナメント(1試合場)
※LET’S KENDOでは速報、大会後から試合動画を公開予定
※ライブ配信は全剣連でおこなわれます
※大会については【山梨県剣道連盟HP】へお問い合わせください>>