
王者には理由があった!徹底した追い込み稽古で作り上げる!!
剣道界最強を決めると言っても過言ではない、全国警察剣道大会(団体戦)において4連覇中と現役王者の座を守る大阪府警察剣道特練に潜入取材に成功!
大阪府警察剣道特練は、全日本剣道選手権優勝者、世界大会団体、個人王者を多数輩出している名門中の名門。
現在は主席師範に戸髙静男を筆頭に、指導陣に佐藤博光監督、副監督に清家宏一、女子監督には寺本将司などが指導にあたっている。
現役特練員は、男子キャプテンには大城戸知。全国警察個人で優勝し日本代表復活を遂げ世界大会・韓国では日本代表主将まで上り詰めた不屈の剣士。そして、女子のキャプテンには、現役最多の優勝タイトルを持つ山本真理子がチームをまとめている。
剣道特練・選手には世界大会・日本代表(日本開催)の升田、試合職人的な役割の後藤、たたき上げの牛島、団体・個人で好成績をあげる江島、警察大会4連覇目を決めた代表戦で勝利した岩切ら経験豊富な30代選手、警察大会個人王者・土谷、常に思い切りのいい剣道で勝負する日本代表でも印象的な試合を見せた前田、警察大会優勝メンバーでもある舞原、上段の草野、さらに上段では全日本学生剣道選手権二位の肩書きを持つ平野も加入。若手では阪口や今年の全日本選手権にも初出場を果たした小角など、選手層の厚さも他のチームを圧倒する勢いだ。
女子においても、全国警察剣道大会において女子の部が始まった2017年大会で優勝、2018年大会は2位と女子もトップレベルで女子剣道界を牽引。
主将の山本を筆頭に、辻、森山、山崎と強豪選手が揃い、有望な新人選手の加入もあるという。
大阪府警剣道特練チームは、男女ともに剣道エリート集団なのだ。
大阪伝統の追い込み稽古に圧倒!!
取材の日は佐藤監督が指揮をとり、準備体操の後、面を付けての稽古が始まった。
試合コートが2面分取れる広い道場を長く使い、さっそく大阪府警伝統の「追い込み稽古」が始まった。
試合が近くなった時期には体力的に追い込む意味でも長い時には1時間半にも及ぶ追い込みをしているという。監督は「追い込み稽古は、大阪府警の名物と言ってもいいでしょう。私が若い頃から、追い込み稽古は行なっています」と話した。
この日は、2020シーズンが始まったばかりということで「軽めのメニュー」とのことだったが、圧倒された。
切り返し、面、小手面、小手面胴とメニューをおこない、選手も当然のことながら息が上がる。
小手面胴においては、受け手側が打たせることもあれば、竹刀操作で当てさせないやり方も取り入れている。これは何十年も続けられているメニューの一つとのこと。竹刀操作を身につけ、試合において攻められてしまったり、下がってしまった際の瞬間的なさばきを身につける意味でも、竹刀さばきを取り入れているのだ。
追い込みに関しては、岩切の打突数、土谷のスピードは特に早いという。時に、受け手側が受けきれなくなってしまう場合もあるほどの追い込みをすると聞いた。 追い込み稽古は、選手の仕上がりのバロメーターなのだ。
稽古は後半戦へ。技の研究から地稽古へ。技の研究において、各自が基本打ちをおこなったり課題、技の習得目指す自由稽古。
面打ちや小手打ちなどのいわゆる基本打ちは、稽古メニューとしは入っていない。佐藤監督によると「メニューの一部としてやることは滅多になく、技の研究のときに必要であれば各自でやるように言っています。」とのことだった。基本稽古が重要であることは承知の上、大阪府警の「攻めの剣道」の基礎と高度な技術を身につけるための稽古が中心となっているのだ。
チームとしての最大の目標である「全国警察剣道大会」とは、選手の口々から「全国警察大会優勝が目標」と、これ以外にはないという。
まさに向かう方向は一つ。
チームのポイントゲッターでありムードメーカーでもある前田は「滅多に泣くことはないが、警察大会優勝の時だけは泣いてしまう」という。個人としては剣道日本一を決める全日本剣道選手権や警察大会・個人戦も、目標の一つに違いはないが、なによりチームとしては全国警察剣道大会優勝にむかっているのだ。
稽古の詳細やトップ選手による技術講座は、動画特集にて!!
稽古風景
稽古前は若手が道場の掃除 現役特練員 歴代師範、指導員 師範、指導員 稽古前はリラックス 少数精鋭の女子 準備体操 準備体操 素振り 素振り 素振り 素振り 準備体操のあとは面をつけて稽古。面紐は上から取るのも大阪伝統 最初から追い込みの列に 道場を長く使い、しっかりと打ち込み 追い込みの手数が多いという岩切 追い込みのスピードは大阪No1の土谷 女子も同じメニューをおこなう メリハリを付けて打ち込む 左右を打ち分ける 元日本代表・升田 しっかりと打ち込む 佐藤監督が目を光らせる 胴打ち 腰を入れて左右の胴を打ち込む この日は約45分の追い込みメニューをおこなった 徐々にスピードをあげてた、面や小手など連続打ちの追い込み 小手面胴の追い込み。受けては当てさせないことも 休憩をはさみ、技の研究稽古では各自の課題を。 鋭い打ち込みを見せる前田 女子同士で組み、稽古をおこなう 主将の山本 警察大会個人王者・土谷 若手の山本 上段の平野 団体では選手として戦った草野 面をつけた稽古は1時間半。1月ということで、まだ稽古時間は短めのようだ。 稽古終了 女子選手も応援コメント 選抜コメント撮影は、楽しい雰囲気だった。開催中止となり、公開は来年! 全国高校選抜大会の選手へ向け、コメント収録 技術講座をしていただいたみなさま!
稽古&技術講座!
技術講座!
【諸手ツキ】山本真理子

【面返し面】岩切崇聡

【面切り落とし面】土谷有輝

【逆胴】牛島辰徳

【引き面】山本大介

【出頭面】前田康喜

【小手抜き面】阪口克哉

【上段 片手面】草野龍二朗

スペシャルインタビュー
【主将インタビュー】大城戸 知 & 山本真理子

【選手インタビュー】前田&草野&岩切&牛島&土谷

編集後記
収録を行なったのは2020年1月17日。大阪特練としては、秋の全国警察大会をピークしているため1月は今シーズンの始まりという位置付け。
まだ選手の体は仕上がっていないため、この日の「追い込み稽古」は軽めのメニューとのことだったが、迫力がすごかったですね! 佐藤監督も「大会近くになると、スピードも打突力もこんなものんじゃないですよ」と言ってました・・・ イーグル先輩が追い込み稽古を追って撮影してたらツッていましたね。
取材前の大阪府警の印象は「怖いのかな?」と思っていましたが、まったくそのようなことはなく、やはり大阪という土地柄か明るい雰囲気でした。いろいろ協力していただき、良い取材ができました。感謝。
あと、年末年始あたりの取材では、全国高校剣道選抜大会の出場選手への応援コメントの収録の協力も快くしていただき撮影したのですが・・・ 選抜大会は開催中止となってしまいた。ただ、来年の大会では使おうと思っています!
最後に、私も地稽古に参加させていただきました!佐藤監督、岩切選手、山本選手、前田選手、草野選手、平野選手、浅井選手、舞原選手・・・ 途中から記憶がないです!とにかく、すごかったです!何も見えませんでした!
大阪府警のみなさん、本当にありがとうございました!! LET’S KENDO
