第68回全日本剣道選手権大会/第59回全日本女子剣道選手権大会
新王者・松﨑賢士郎(茨城)!決勝の壁を超える!村上雷多(大阪)から豪快勝利!
諸岡温子(東京)20歳、新女王!決勝は山崎里奈(宮崎)と中村学園対決!
令和3、2021年3月14日(日)、第68回全日本武道具剣道選手権大会、第59回全日本女子剣道選手権大会が長野県長野市・ホワイトリング(長野市真島総合スポーツアリーナ)にて、大会史上初の男女同時開催された。例年、女子選手権が9月、男子選手権が11月におこなわれている新型コロナウィルス感染症拡大の影響を受けて延期されていた。
試合は5分三本勝負、例年の選手権大会の上位戦では試合時間が10分になるが今回は5分のまま。
今大会、剣道のトップ選手が多い警察関係の選手が警察庁の判断で不出場になったことにより初出場選手が増えたこと、また、試合ではつばぜり合いなど試合ルールも見直され、例年とはひと味違う大会となった。
筑波勢がベスト4を独占
男子、3回戦(ベスト16)に大学生が8選手、教員、刑務官、実業団選手が顔を揃た。ベスト4へ勝ち進んだのは筑波大現役学生とOB。松﨑賢士郎(茨城)と星子啓太(鹿児島)の準決勝は、同級生対決。2年前の全日本学生剣道選手権と同じ顔合わせとなり、試合終盤に星子が間合いをつめてコテを狙ったが長身の松﨑がメンを合わせて有効打を奪い、一本勝ちで2大会連続で決勝進出を決めた。
準決勝の2試合目では、村上雷多(大阪)と林田匡平(福井)の教員対決となった。
村上は各世代で活躍しつづける強豪選手。選手権2回目の出場ではあるが、激戦の大阪予選を勝ち抜くことは並大抵のことではない。林田は選手権で三位入賞の実績があり、世界大会(韓国)では日本代表選手に選出されるなど活躍し続けている。この試合、筑波大の先輩である村上が試合序盤に鋭く豪快なメンを決め一本勝ちし、村上が初の決勝進出を決めた。
決勝は、松﨑、村上とも初優勝を掛けたおこなわれた。決勝戦の緊張感が見ているものにも伝わるほどの緊迫した間合いの攻防が続き、開始から約3分経過したころ、村上の攻めに合わせて松﨑がメンに飛び込み先取。取り返したい村上は面を中心に攻めたが、松﨑が冷静に攻めを見極めコテを決めて二本勝ちし初優勝を果たした。
女子、予想がつかぬ展開へ!学生が活躍。
準々決勝では優勝候補同士の対戦となった、大西ななみ(福井)と竹中美帆(栃木)の対戦は延長戦となり、大西が手元の上がりを見逃さず竹中がコテを決めて勝利し、準決勝では諸岡温子(東京)と対戦。諸岡は思い切りのいい、爆発力のある面を武器に東京予選から本大会まで勝ち進んできた。
準決勝では竹中が小手返しメンで先取したが諸岡は飛び込みメンを取り返す展開に。延長開始から約1分、竹中が先に動きだし面を狙うと諸岡も同じタイミングで相メンとなり白旗三本、諸岡のメンが一本となり決勝進出を決めた。
ベスト4に進出した小松加奈(青森)も、また優勝候補のひとり。準決勝では山崎里奈(宮崎)と対戦した。両選手は、明治大学の同門、小松が4年生で山崎が3年生という間柄である。山崎は足を使って攻め、小松は冷静に制しながら試合展開。試合中盤、山崎が間合いをつめると小松が一瞬下がってしまい山崎がメンに飛び込み先取し、一本勝ちで山崎が決勝進出を決めた。
決勝戦、諸岡と山崎の対戦となる。両選手とも、福岡・中村学園女子高校の同門で、山崎が一つ年が上の先輩になる。
試合は一進一体。手の内を知る両選手なだけに、これまでにない慎重さが試合からも感じ取れた。試合は延長戦となり、厳しい攻め合いがつづき、山崎が放った小手の機会は良かったが諸岡も前で対応したため深くなり、諸岡が流れのなかで放ったメンが一本となり、諸岡が優勝を決めた。
・結果
・男子
優勝 松﨑賢士郎(茨城)
二位 村上雷多(大阪)
三位 林田匡平(福井)
三位 星子啓太(鹿児島)
※優秀選手賞
岩部光(香川)
白木恒二郎(徳島)
安藤千真(愛知)
森山竜成(神奈川)
白鳥湧也(千葉)
山本有樹(東京)
・女子
優勝 諸岡温子(東京)
二位 山崎里奈(宮崎)
三位 竹中美帆(栃木)
三位 小松加奈(青森)
※優秀選手
大西ななみ(福井)
小川梨々香(新潟)
金田一裕美(岩手)
志藤綾子(埼玉)
須坂喜江(長野)
村田桃子(鹿児島)
・男子決勝
○松﨑賢士郎(茨城・筑波大)(メコ 勝ち )村上雷多(大阪・大体大教員)×
2大会連続の決勝進出を果たした松﨑だが、相手となったのは筑波大の先輩であり超強豪の村上雷多。試合序盤に松﨑がメンに飛び込み先取すると、試合のペースを握り、最後は村上の面に合わせてコテを放ち2本勝ちで優勝を決めた。
・女子決勝
○諸岡温子(東京・中央大)(メ 延長 )山崎里奈(宮崎・明治大)×
両選手の出身校である中村学園女子高校では山崎が諸岡より一つ年が上だが、ともに稽古をおこないレギュラーとして試合に出場していた。
諸岡は、決勝までの5試合とは違っていた。やはり手の内を知り尽くしているもの同士、そして優勝を掛けた一戦に警戒感の試合展開となる。
試合は延長戦となり、最後は諸岡の鋭いメンが山崎を捉え、優勝を決めた。
・男子準決勝
1::○松﨑賢士郎(茨城・筑波大)(メ 一本勝ち )星子啓太(鹿児島・筑波大)×
2:○村上雷多(大阪・大体大教員)(メ 一本勝ち )林田匡平(福井・丸岡高校教員)×
・女子準決勝
1:×竹中美帆(栃木・団体職員)(メ 延長 メメ)諸岡温子(東京・中央大)○
2:山崎里奈(宮崎・明治大)(メメ 延長 メ) 小松加奈(青森・明治大)
・男子・準々決勝
○村上(大阪)(メコ メ)森山(神奈川)×
×白鳥(千葉)( 勝ち メメ)林田(福井)○
・×白木(徳島)( 延長 コ)松﨑(茨城)○
・○星子(鹿児島)(メ 延長 )安藤(愛知)×
・女子・準々決勝
×大西(福井)( 延長 コ)竹中(栃木)○
○諸岡(東京)(メ 一本勝ち )小川(新潟)×
○山崎(宮崎)(コ 延長 )金田一(岩手)×
×志藤(埼玉)( 一本勝ち メ)小松(青森)○
・女子3回戦、諸岡が村田からメンを決めて勝利。準々決勝へ。
・男子3回戦、最年長・山本(東京)が村上(大阪)から先取するも、村上は出ばなコテ、出ばなメンを決めて2本勝ちし、準々決勝へ。
森山(神奈川)は山下(茨城)から2本勝ちしベスト8進出。
男子2回戦、中嶋(東京・三菱商事)は椿(兵庫)に先取されるも、冷静に試合展開し二本取り返し逆転勝利。
・林田(福井)が高瀬
・女子2回戦、諸岡(東京)は乗田(三重)から豪快にメンを2本決めて3回戦へ進出。
・村田(鹿児島・鹿体大)が3回戦へ勝ち進み、4回戦で諸岡(東京)と対戦へ。中村学園出身対決が楽しみだ。
・男子2回戦、山本(東京・NTT)は松田(高知)から2本勝ちし3回戦へ。
・女子2回戦、山崎(宮崎・明大)が本川(東京)から延長でコテを決めて3回戦へ。
・女子2回戦、大西(福井)は、内藤(山梨)から近い間合いでメンを決めて一本勝ち。
・女子2回戦、金田一(岩手・教員)、竹中(栃木)、3回戦へ進出
・男子1回戦、武田(宮城・教員)が、警視庁でも活躍した川﨑(佐賀)と一本ずつ取り合い、延長戦の末に武田が面を決めて勝利。
1回戦、星子(鹿児島・筑波大)と本間(千葉・実業団)の同門九学、そして、筑波と中大でもなんども対戦してきた一戦は、延長で星子が引きメンを決めて勝利。ベテランの橋本(埼玉・伊田テク)は強い攻めを見せたが、長い延長戦の末、林田(福岡)がめんを決めて勝利。
・女子1回戦、諸岡(東京・中大)が勝利。村田(鹿児島・鹿体大)も2回戦へ。
1回戦、大平(栃木・筑波大)が林田(福井・教員)から先取するも、林田が冷静な試合展開で2本取り返し逆転勝利。
1回戦から名勝負!高(大阪・パナソニック)が前回二位の松﨑(茨城・筑波)から先取するも、松﨑がドウ、メンを決めて逆転勝利。中嶋(東京)は我慢強い剣道で一回戦突破
1回戦、開催地の長野からの出場の矢野(教員)は、國士舘大、そして教員としても先輩である菅野(岩手)から逆転二本勝ちで2回戦進出を決めた。
女子、小川(新潟)、志藤(埼玉)が2回戦進出を決めている
男子、白鳥(千葉・筑波大)が佐伯(宮崎・高千穂教員)からコテを決めて勝利。動きにもキレがあった。
女子、竹中(栃木)が竹内(愛知)から勝利。竹中は動きもよく、上位進出も狙えそうだ。地元長野・須坂がベテランらしい試合展開で1回戦突破。
男子、大学生・橋本(京都・筑波)が1回戦突破。杉本(神奈川・日体大)は尾崎(石川)との長い延長戦を制した。
山下(茨城・教員)は学生の杉田(岐阜・鹿体大)から勝利。
女子、高校生の内藤(山梨・守谷高)は攻めの姿勢を崩さず、メンを決めて勝利を収めた。
女子、大西(福井)は深見(兵庫)に先取を許す厳しい展開も、延長で逆転勝利で2回戦へ。
男子1回戦、筑波出身対決となった村上(大阪)と寺島(富山)の一戦は延長となり、村上がメンを決めて勝利。女子、須波(香川・学生)が勝利。
男子1回戦、白木(徳島)が石田(東京)から面を決めて一本勝ち。竹越(埼玉)も1回戦に勝利。女子、山崎(宮崎)が2回戦へ勝ち進む。
男子1回戦、山本(東京)が梶原(大分)との延長戦を制し2回戦へ。山川(沖縄)、松田(高知)がそれぞれ勝ち進む。女子、本川(東京)1回戦突破。
開会式、日本剣道形
9時開会、試合は10時から開始!!
生配信
第1試合場:男子
第2試合場:男子
第3試合場:女子
第4試合場:女子
第68回全日本剣道選手権大会
第59回全日本女子剣道選手権大会
令和3年 2021年3月14日(日)
長野県・ホワイトリング 長野市真島総合スポーツアリーナ
※主催:全日本剣道連盟
※全日本選手権大会詳細は【全日本剣道連盟HP】に掲載されています。
※全日本女子選手権大会詳細は【全日本剣道連盟HP】に掲載されています。
※大会当日、全剣連YouTubeにて男女全4試合場のライブ配信をおこないます。また、全剣連HP・SNSで速報予定!!
2020年内に開催予定だった第68回全日本剣道選手権大会、第59回全日本女子剣道選手権大会が新型コロナウィルス感染症拡大の影響で延期されたが、主催者である全日本剣道連盟の尽力により2021年3月14日(日)、長野県長野市での男女同時開催されることになった。
大会開催の意義、開催までの経緯などを全剣連の網代忠宏副会長、中谷行道専務理事先生に伺うことができ「全日本選手権(男女)は日本剣道界で最高峰の選手を決める大会です。」と、あらためて選手権大会の重要性を聞くことができた。(※インタビューの詳細に関してはベージ下部【インタビュー動画】を参照ください。)
実業団選手、教員、学生などが大会へ出場!
今大会、警察関係の選手が予選に不出場ということになった。これは、新型コロナウィルス感染症拡大の影響により、感染リスクを回避する警察庁としての判断と聞いている。剣道選手である前に、人々を助ける警察官としての使命が優先された結果であり、尊重されるべきことだと強く感じる。また、中谷専務理事も「警察官が出場できないことは残念です。ただ、剣道は警察の方だけではなく広く一般の方々がやっているので、警察官が不参加でも大会を開催することにしました。警察選手がまた戻ってくることを、強く期待しています」と話した。
男子、最年少が20歳、最年長が45歳と幅広い出場選手層となり、また、女子においてはさらに幅広く、高校生の出場もみられる。
男子では前回大会二位の松﨑(茨城・筑波大)、三位入賞経験のある林田(福井)、日本代表候補の村上(大阪・大体大監督)、学生王者の星子(鹿児島・筑波大)、ベスト8入賞経験のあるベテランの橋本(埼玉・伊田テクノス)などの強豪選手の出場が決まっている。また、筑波大や國士舘大の現役・出身選手が多く見受けられ、例年とは違った顔ぶれとなり、歴戦の猛者が揃っている。
女子、選手権二位経験のある大西(福井)、内田(静岡)、同三位で世界大会・韓国では日本代表に選出された竹中(栃木)、インターハイ個人優勝者では小松(青森・明治大)などの出場が決まっている。男子に増して、学生選手の出場が目立っている。
男女とも全剣連HPにトーナメントが公開されており、同門対決(現役やOB対決)や若手対ベテランなど注目カードが多数あり、今年も見応えのある試合を見ることができそうだ。
※大会の詳細は全日本剣道連盟HPに掲載されています。
※全日本選手権大会詳細は【全日本剣道連盟HP】に掲載されています。
※全日本女子選手権大会詳細は【全日本剣道連盟HP】に掲載されています。
組合せ
※トーナメントは、全日本剣道連盟に許可を得て公開しております。
※インタビュー動画(網代副会長、中谷専務理事)
※【オンライン武道チャンネル「GEN」】に出場選手のインタビューなども掲載されています。
【リアルタイム速報】
※大会当日、結果や注目カードを速報予定!!