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大会レビュー
決勝戦は明大対決、試合前には笑顔を見せる場面もあったが試合は一進一退、大亀が引きメンで決着した。
決勝戦は明大対決、試合前には笑顔を見せる場面もあったが試合は一進一退、大亀が引きメンで決着した。
平成28年5月14日(土)、第48回関東女子学生剣道選手権大会が東京都足立区・東京武道館にて開催された。
また、大会ベスト16選手と出場決定戦(敗者復活戦)を勝ち抜いた12選手、合計28選手には7月に開催される全日本学生剣道選手権の出場権を得ることができる。大会エントリー選手は男子大会よりも多く、全日本出場権は男子60選手に比べて半数となるため、全日本出場権は厳しいもとなる。
大会序盤戦、前回優勝者の福川(法政)が3回戦で川添(國士舘)に敗れ姿を消した。法政勢としてはベスト8に進出することができず、全日本出場はベスト16(6回戦)に進出した岡崎、後藤、そして決定戦で勝ち上がった田中の3選手が全日本出場を決めた。
強豪選手揃う筑波勢、島原、中村学園女子、麗澤瑞波など強豪校出身選手が13選手エントリーし、そのうち1年生が3選手。ベスト8に佐々木、木宮、合瀬が進出するもベスト4へ勝ち上がることができなかった。そしてベスト16の進藤を加えた4選手が全日本出場となった。また、優勝候補の大西、昨年の和歌山IH個人王者で1年生・竹中はそれぞれ4回戦で敗退し全日本学生出場権を逃した。
前回大会3位の染谷(國士舘)は2回戦で敗退した。國士舘勢としてはベスト16に井手が進出、出場決定戦を制した川添の2選手が全日本出場となった。
日体大の小川は準々決勝での上段対決で敗れるも上位入賞を果たした。全日本出場をかけた5回戦で太田(早大)に敗れた糸山は敗者復活で全日本の切符を手にし、また玉田も決定戦で勝ち上がり日体大から3選手が全日本出場。
中盤戦で白い道衣が目立った城西国際大学。上位へ駆け上がる勢いも感じられたが強豪選手の前に一歩及ばず、敗者復活から中川が全日本出場権を得た。
強豪大学から出場選手が決まる中、昨年の全日本女子学生二位の図末(平国大)は4回戦で高間(国武大)に敗退。高間は5回戦で小川(日体大)に敗退し、敗者復活でも勝利することができずに全日本出場を逃し、国武大勢から全日本出場選手はでなかった。そして苦杯したのが東海大勢も全日本出場権を得られなかった。
上位出場選手の勝ち上がりを振り返ると、前回大会ベスト8、序盤からキレのある動きでか上がってきたは三好(明治)、5回戦で卯月(十文字)に勝利し全日本出場を決め6回戦では強豪選手の井手(國士舘)との一戦は見応えのある試合となり反応良く三好がドウを決めてベスト8進出すると、準々決勝では佐々木(筑波)から延長でメンを決め準決勝進出を決め、上段の有働(國學院)前回大会ベスト8、今大会ではそれを上回り準々決勝で佐々木(筑波)、そして準決勝では上段の有働(國學院)との対戦となった。有働は神奈川・希望ヶ丘高校時にはインターハイ(個人)に出場するなど活躍し、現在國學院2年生の選手。5回戦で平野(清和大)を破り全日本出場を決め、6回戦で太田(早大)、そして準々決勝では同じく上段の小川(日体大)と対戦。有働は試合序盤に小川の放った小手をかわして引きメンを決めるが試合終盤に、小川が片手メンを決め延長へ持ち込むも、最後は上段に構えあった状態から有働が片手で小川の左コテを狙い一本となり勝利した。
準決勝、上段の有働に対し三好はスピードを生かし上段から攻撃を封じ、試合序盤に引きコテを決めて1本勝ちで決勝進出を決める。
第8試合場を勝ち抜いたのは河村(早大)。序盤から強敵を破り4回戦では大西(筑波)と対戦し、延長戦で思い切った小手メンを見せ勝利。5回戦では齋藤(流大)から先制されるも逆転勝ちし勝ち進み、準々決勝では筑波の新鋭・合瀬との対戦では10分以上の延長戦の末に飛び込みメンを決めて勝利し準決勝進出を決め、大亀(明治)との対戦となった。
大亀は序盤戦から相手にペースに握らせず、要所で鋭い打突を見せ勝ち上がる。3回戦で阪本(早大)から勝利し勝ち進み、5回戦では三瓶(流大)を破り全日本出場を決めると6回戦では進藤(筑波)から引きメンを決めて一本勝ちし、準々決勝では木宮(筑波)から試合中盤に面返しドウ決め勝利し、準決勝で河村(早大)となった。
準決勝が始まり間もなく、大亀が鋭くメンを放ち先制すると試合終盤には小手メンの連続技で2本勝ちで決勝進出を決めた。
決勝戦、明治大同級生対決となった。三好個人としては各大会で上位進出する活躍を見せているが、明治大の団体戦では、強豪選手を揃えているものの全日本女子学生優勝大会への出場をここ数年連続で逃す厳しい状況となっており、その流れを考えるとこの決勝戦は予想できるものではなかった。しかし、大亀、三好ともそのポテンシャルは高く、大亀は守谷高校の大将として出場した新潟インターハイ団体優勝に大きく貢献し、三好もまた名門・麗澤瑞波で活躍し国体優勝など実績ある選手である。
決勝は会場中央に特設会場が作られ、選手入場の際には両選手とも目が合い笑顔を見せるリラックスした表情。
しかし試合が始まるとそれも一変、試合開始早々から三好が攻め立てるが、大亀もすべてに対応し状況を見極める。動きのキレやスピードでは三好が大亀を上回っているように見えたが、大亀は常に間合いを切らさず相手の打ち終わりや動きの止まった時などを見逃さずに攻め、うまさが際立つ試合展開をする。試合は延長戦となり、最後は大亀が鍔迫り合いから引きメンを決めて優勝を果たした。
試合後のインタビューで大亀は「まさか同級生とできると決勝戦をできると思っていなかったので、嬉しかったです。大会前からたくさん食べて調子も良かったです。決勝では引き技で決めたかった気持ちがありました。」と語った。三好もまた同じ思いがありつつも試合では「思い切りやることしか考えていかなった。力では大亀の方が上、地稽古でもいつも打たれていた・・・」と話したが、大亀もまた三好との稽古では「打たれっぱなしです。」と両選手とも謙虚に笑顔で仲の良いところを感じさせた。また明治大・水田監督は「大亀はキャプテンとしての維持を見せました。決勝へ進出した両選手ともやっと力がついてきました。」と話した。
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試合ハイライト
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結果一覧
女子
ベスト4
- 優勝 大亀 杏(明治大学4年、守谷)
- 二位 三好絢女(明治大学4年、麗澤瑞波)
- 三位 有働日向子(國學院大学2年、希望が丘)
- 三位 河村奈穂(早稲田大学3年、大分鶴崎)
敢闘賞・ベスト8
- 佐々木梨奈(筑波大学2年、中村学園女子)
- 小川萌々香(日本体育大学2年、筑紫台)
- 木宮凛々子(筑波大学3年、島原)
- 合瀬未悠(筑波大学1年、中村学園女子)
全日本学生剣道出場選手・ベスト16
- 川上(早大)
- 井手(國士舘)
- 太田(早大)
- 岡崎(法大)
- 後藤(法大)
- 進藤(筑波大)
- 柿原(清和大)
- 金成(國學院)
出場決定戦(敗者復活戦)
- 白水(清和大)
- 杉村(早大)
- 糸山(日体大)
- 長谷川(國學院)
- 榎本(立教大)
- 田中(法大)
- 中川(城西国際)
- 玉田(日体大)
- 川添(國士舘)
- 平野(清和大)
- 小木(桜美林)
- 田島(東洋大)
表彰式
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トーナメント表
※ベスト16、出場決定戦は【関東学生剣道選手権HP】
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対戦動画(YouTube)
決勝
- ×三好(明大)( 延長 メ)大亀(明大)○
※明大同級生対決は延長で大亀が引きメンを決めて勝利。 - ※大亀・三好、インタビュー動画
準決勝
- 準決勝1:○三好(明大)(コ 一本勝ち )有働(國學院)×
上段の有働から三好が引きコテを決めて勝利 - 準決勝2:○大亀(明大)(メメ 勝ち )河村(早大)×
大亀がメンを2本決めて決勝進出を決める
準々決勝
- 準々1:×佐々木(筑波)( 延長 メ)三好(明大)○三好が思い切りよくメンに飛び込み勝利
- 準々2:○有働(國學院)(メコ 延長 メ)小川(日体大)×
見応えのある上段対決!延長で有働が鋭くコテを決めた。 - 準々3:×木宮(筑波)( 一本勝ち ド)大亀(明大)○
試合中盤、大亀が鮮やかにドウを決めた - 準々4:○河村(早大)(メ 延長戦 )合瀬(筑波)×
一進一退の展開が続き、最後は河村の豪快なメンで決着。