【取材・速報!】7/2〜3 全日本学生剣道選手権大会

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大会レビュー

7/3(日) 山田(明治大)が劇的逆転勝利で決勝を制し、大会初優勝!

明治大学 山田凌平 剣道
決勝戦、山田(明治)が試合終盤で貝塚(日体大)からコテを2本連取し逆転で初優勝を果たした。

平成28年7月2日〜3日、全日本学生剣道選手権大会が東京・日本武道館にて開催された。

大会二日目の7/3(日)は、第64回全日本学生剣道選手権(男子・個人)、第63回全日本学生剣道東西対抗試合が開催された。
優勝候補筆頭・梅ヶ谷(中央大)は4回戦で五十嵐(國士舘)に面で先制されるも引きメン、コテで逆転勝利、5回戦では百田(日体大)から延長で逆ドウを決めて準々決勝進出を果たし、貝塚(日体大)と対戦した。貝塚は序盤戦で宮本(國士舘)、5回戦では持原(鹿体大)から勝利して準々決勝へ勝ち進んだ。変幻自在な竹刀操作と的確な判断で全日本・関東王者となった梅ヶ谷と、神奈川・鎌倉学園時代からその実力は抜きにでていた貝塚は小柄でキレとスピードのある選手。そして今大会では強豪選手を打ち破り勢いもつけた。
両選手は攻め合いに見応えがあり、勝負は延長戦となり意外な決まり手となった。貝塚が攻め込むと梅ヶ谷が少し距離を取ろうとしたところへ貝塚が鋭く諸手ツキを放ち勝利したのだ。この勢いにのり準決勝では三上(中央大)と対戦。
三上は北海道・東海大四(東海大札幌)出身、190センチと身長と鍛え抜かれた肉体を持ち合わせた超大型上段選手。三上の勝ち上がりも厳しい試合の連続だった。3回戦で関東ベスト8の田中(芳)(法政大)、そして4回戦では関東王者の矢野(國士舘)。試合は延長となり片手メンで矢野から勝利した三上は、5回戦で、藤野(明治)や原(専修大)を破り勝ち上がってきた青山(中京大)との対戦にも勝利した三上。準々決勝の岩切(国武大)戦では延長で片手メンを決めて準決勝進出を決めた。
貝塚と三上の準決勝、試合後に三上は「貝塚選手には苦手意識があった」と語ったように、貝塚は足を使い素早く間合いを調整し三上は突破口を見出せない。そして一瞬三上の足が止まったところへ貝塚は鋭く左コテを奪い、この一本により貝塚は決勝進出を決めた。
反対側のトーナメントにも、当然のことながら強豪選手がひしめいている。関東学生二位の加納(筑波大)はシード2回戦から登場し、西川(金沢大)に勝利するも、3回戦で上段・草野(鹿体大)に敗れ姿を消した。草野は4回戦で中野(福岡大)に勝利するも、5回戦で千田(明治大)と対戦し試合終了間際に草野が上段から放った小手を返してメンを決めた千田がベスト8へ進出。
千田の準々決勝の相手は牧島(鹿体大)、島原高校時代には全国大会で活躍した選手だが、千田もインターハイ個人三位の実績がある。この試合は予想を裏切らぬ好勝負となり延長を含め10分以上の接戦、最後は千田が狙った小手に一瞬早くメンに飛び込んだ牧島が勝利した。牧島の準決勝の相手は、山田(明治大)。九州学院では数々の優勝を勝ち取り、世界大会日本代表メンバーとして鳴り物入りで明治大学に入学した昨年度はなかなか結果を出せなかったが、今大会は序盤戦からキレのある動きで白鳥(駒澤大)、4回戦では森本(早大)に勝利し、5回戦では九学の先輩であり前回大会4回戦で敗退した真田(鹿体大)との対戦となった。良い意味でプライドとプライドがぶつかり合うという言葉で表現するの適したといえるこの試合は、試合中盤に山田が素早く間合いに入り手元の上がった真田に鋭すぎるコテを決めて先制。ここから真田の小手、面の猛攻を冷静に凌ぎ切った山田が一本勝ちで準々決勝へ駒を進めた。

貝塚(日体大)は決勝で山田から先制となるメンを決めたが、あと一歩及ばず準優勝。
貝塚(日体大)は決勝で山田から先制となるメンを決めたが、あと一歩及ばず準優勝。

山田の準々決勝は了戒(専修大)。了戒は東京・東松舘道場から東福岡高校へ渡り、昨年専修大学へ進学している。了戒は4回戦で二刀流の使い手・渡邊(京大)、5回戦では実力選手の永井(中大)に勝利しベスト8へ勝ち進んだ。特筆すべきことが一点、二刀流の渡邊は3回戦で田内(筑波)に2本勝ちし、会場を大いに沸かせた。

山田と了戒の準々決勝は慎重な試合展開となり延長戦へ。最後は了戒の攻め際にタイミングを合わせ山田がまっすぐにメンへ飛び込み勝利し、牧島との準決勝を迎える。
山田と牧島、同級生であり高校時代は九学と島原で九州、そして全国の舞台でしのぎを削り合っている。この試合、両選手とも一本いっぽんに集中し緊迫した試合展開となる。延長戦で、牧島が小手から面への連続技を出そうとしたほんの一瞬を見逃さなかった山田が小さく最短でメンにのり勝利した。その打突感覚は稽古で培われたものと動体視力の良さを感させた。

7/2 (土) 上段・小川(日体大)が片手メンで大会を制す。

日体大 小川萌々香 剣道[gads]

日体大 小川萌々香
優勝した日体大・小川。新里監督にも笑みが。

7/2(土)大会1日目は、第50回全日本女子学生剣道選手権大会、第10回全日本女子学生剣道東西対抗試合がおこなわれた。
序盤戦は強豪選手が順当に勝ち上がった印象だが、後藤(法政)、川上(早大)、H26神奈川インターハイ個人優勝・渡邊(広島大)、九州学生王者・三浦(福岡大)が1〜2回戦で姿を消した。この中で渡邊、三浦の両選手を序盤戦で下した佐々木(筑波)だったが、4回戦で太田(早大)が佐々木の一瞬の隙を見逃さずドウを奪い勝利。太田は3回戦で糸山(日体大)に勝利するなど勢い乗り準々決勝へ進出した。
上位戦ではさらに強豪選手同士の対戦が続く。関東王者・大亀(明治)は初戦となる2回戦から延長戦となり、3回戦では進藤(筑波)を延長でドウを決めて勝ち上がり、4回戦では井手(國士舘)と対戦は20分におよぶ延長となり最後は相メン、井手が一瞬早く動き大亀のメンをとらえ勝利した。関東学生決勝で同門対決を演じた三好(明治)は、右手に分厚いテーピングが見られたが序盤戦からエンジン全開。初戦2回戦では上段・玉田(日体大)を延長で素早く間合いをつめてコテを決めて勝利し、続く3回戦も勝ち上がるも4回戦で新開(福岡大)に延長戦で、三好が下がったところへ新開が追い込んでメンを放ち新開が勝利し準々決勝に進出した。
今大会、上段選手が多く、上段同士の対決も見られた。杉村(早大)は3回戦で九州学生二位の福屋(福教大)に勝利し勝ち進み準々決勝では新開と対戦し、延長で片手メンを決めて杉村が勝利し準決勝で小川(日体大)と対戦。
小川は1回戦で瀬之口(福岡大)、2回戦で山田(関学大)、そして3回戦では上段対決となった白水(清和大)を制し、4回戦では強豪・合瀬(筑波)から勝利し準々決勝へ。

筑波大学 木宮凛々子
木宮(筑波)も小川をあと一歩まで追い詰めたが、惜しくも二位となった。

準々決勝で小川は田中(法政)から試合開始早々にメンを決めさらに田中が面に飛び込んできたところへコテを合わせて2本勝ちし、準決勝へ一番乗りを決めた。

小川は準決勝でも上段対決、相手は杉村(早大)。小川が試合序盤に器用に引きメンを決め、さらに片手メンの相打ちを制し決勝進出を決めた。
小川の決勝戦の相手は木宮(筑波)。木宮は序盤戦を勝ち上がり、4回戦で石井(福島大)は試合終盤に面返しドウ、さらに鋭く放ったメンにより2本勝ちでベスト8を決めると、準々で平野(清和大)と10分近い延長戦の末、最後は平野の面に合わせてドウを決め準決勝へ駒を進める。
準決勝では、木宮と井手(國士舘)の2年生対決となった。両選手とも面を中心に積極的に攻め合うも延長戦となり、最後は井手のメンの動き出しに一瞬早く木宮がメンを放ち勝利した。
決勝戦、木宮対小川。木宮は宮崎・上長飯 剣友クラブ
、長崎県・島原高校で活躍し筑波大学に進学。対する小川は新潟県の名門・地蔵堂剣士会、そして燕中では全国大会優勝も経験し、福岡県・筑紫台高校で活躍後、現在の日体大に進学している。
会場中央に特設コートが設置されおこなわれた決勝戦、試合開始早々から厳しく攻め合う。上段の小川は片手メン、そして諸手技を出し、木宮は足を使い素早く間合い詰めながら打突機会を探す。試合中盤、木宮の間合いが近づいたところへ小川が鮮やかに片手メンを放ち先制する。木宮は小手、面、突きと手数を増やすが、小川は冷静にさばきながら有効打を与えず、試合時間5分は終了し小川が初優勝を果たした。
小川は「優勝できてうれしいです。次の目標は9月の全日本女子選手権(新潟代表)、そして関東学生、全日本学生です。」と笑顔で話してくれた。

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試合ハイライト

※準備中

男子・結果一覧

ベスト4

  • 優勝 山田凌平(明治大学2年・九州学院出身)
  • 二位 貝塚泰紀(日本体育大学3年・鎌倉学園出身)
  • 三位 三上ヘンリー大智(中央大学2年・東海大四高出身)
  • 三位 牧島凛太郎(鹿屋体育大学2年・島原高校出身)

敢闘賞・ベスト8

  • 岩切勇樹(国際武道大学2年・高千穂出身)
  • 梅ヶ谷翔(中央大学3年・福大大濠出身)
  • 千田 海(明治大学2年・仙台育英出身)
  • 了戒一彰(専修大学2年・東福岡出身)

東西対抗

  • 優勝 東軍
  • 【優秀選手】
  • 加納彰大(筑波大)
    渡邊賢人(日本大学)
    廣田憲亮(慶応義塾大学)
    筒井雄大(筑波大学)
    上原裕二郎(大阪体育大学)
    米 隼人(近畿大学)
    難波飛六朗(環太平洋大学)

 

女子・結果一覧

ベスト4

  • 優勝 小川萌々香(日本体育大学2年・筑紫台高校出身)
  • 二位 木宮凛々子(筑波大学3年・島原出身)
  • 三位 井手璃華子(国士舘大学2年・福岡第一高校出身)
  • 三位 杉村麻記(早稲田大学3年・守谷高校出身)

敢闘賞・ベスト8

  • 平野真由(清和大学4年・広島皆実出身)
  • 太田麻友(早稲田大学1年・守谷高校出身)
  • 新開樹里(福岡大学2年・福工大城東出身)
  • 田中優希(法政大学2年・桐蔭学園出身)

東西対抗

  • 優勝 西軍
  • 【優秀選手】
  • 北山京佳(大阪体育大学)
  • 古田 薫(広島大学)
  • 三浦 遥(福岡大学)
  • 大亀 杏(明治大学)
  • 大西ななみ(筑波大学)

男子・表彰式

  • m1 優勝 山田凌平(明治大学)
  • m2二位 貝塚泰紀(日本体育大学)
  • m3_1三位 牧島凛太郎(鹿屋体育大学)
  • m3_2三位 三上ヘンリー大智(中央大学)
  • m8敢闘賞(ベスト8)
  • m_togun東西対抗優勝・東軍
  • m_tozaitaiko_sp東西対抗・優秀選手

女子・表彰式

  • w_1優勝 小川萌々香(日本体育大学
  • w_2二位 木宮凛々子(筑波大学
  • w3_2三位 井手璃華子(国士舘大
  • w3_1三位 杉村麻記(早稲田大学
  • w8敢闘賞(ベスト8)
  • w_seigun優勝 西軍
  • w_tozaitaiko_sp東西対抗・優秀選手

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トーナメント表

※男子結果・トーナメントは【全日本学生剣道連盟HP】に掲載されております

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試合動画(YouTube)

PICK-UP!

【男子・一本集!】

【女子・一本集!】

【男子決勝戦】山田(明大)×貝塚(日体大)

【女子決勝】木宮(筑波大)×小川(日体大)

【インタビュー】

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男子・東西対抗

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